最近はネット上で簡単にプレーできるオンラインカジノが海外から多数参入しており、それに連れて利用者が増加しています。オンラインカジノもギャンブルのため、損する人がいれば儲ける人もいます。ただ、オンラインカジノは他のギャンブルと比べてペイアウト率(還元率)が高いため、高額な勝利金を得る人が少なくありません。
なお、オンラインカジノで儲けたお金は所得となるため、国民の義務として税金を納めなければなりません。ただ、多くのプレーヤーに、儲けたお金に対する税金の認識があまりありません。
オンラインカジノの勝利金は所得
オンラインカジノであろうと、パチンコや競馬であろうと、儲けたお金は全て所得になり、所得税が課されます。所得税は1年間の所得に対して課される税金であり、1年間に獲得したオンラインカジノの勝利金から経費を差引いた金額が所得として課税対象になります。
例えば、ライブカジノのバカラに総額50万円をベットして合計で200万円の勝利金を得た場合は、150万円(200万円-50万円)が所得となります。その150万円に対して、所得税が課されます。
オンラインカジノで負けたベット額の処理
オンラインカジノはギャンブルのため、勝つ時ばかりではなく、当然負ける時もあります。そのため、儲けたお金から損したお金を差引いたものが手元に入った実質の所得になります。ところが、オンラインカジノの所得は「一時所得」として扱われるため、利益と損失を合算する損益通算が認められていません。
例えば、バカラで150万円勝ったと同時に、ルーレットで100万円を損していたとします。普通に考えれば、150万円から100万円を引いた50万円だけが所得になると思えます。ところが、一時所得では100万円の損失が無視され、150万円の利益に対してのみ課税されます。
一時所得の課税対象額
オンラインカジノで儲けた一時所得では、所得から50万円を特別控除として差引かれます。そのため、所得額が年間50万円以下の場合は所得税が掛からないため、何もしなくて構いません。なお、所得が150万円の場合は、50万円を差引いた100万円が一時所得とされます。
また、一時所得は所得額がそのまま課税対象になるのではなく、1/2の金額が対象になります。例えば、一時所得として100万円があった場合は、50万円が課税対象になります。
オンラインカジノの経費は所得に関与したベット額のみ
オンラインカジノの所得は勝利金からベット額を差引いたものになります。ただし、経費として認められるベット額は、勝利金に直接関与したものだけです。例えば、ルーレットに10万円、バカラに3万円、ポーカーに4万円をベットし、バカラとポーカーは負け、ルーレットで30万円の勝利金を得たとします。この場合は、ベット合計額の17万円(10万円+3万円+4万円)が経費になるのではなく、勝利金に関与したルーレットの10万円だけが経費として認められます。つまり、20万円(30万円-10万円)の所得があったことになります。
一時所得の税額の算出方法
一時所得の所得税は以下の式で算出されます。
・一時所得=収入金額(勝利金)-支出金額(関与ベット額)-特別控除額(50万円)
・一時所得の課税対象額=一時所得×1/2
一時所得は総合課税であるため、他の所得と合算して税額が算出されます。従って、サラリーマンの場合は、給与所得と一時所得を合算した金額が所得税の対象になります。
・所得税=(給与所得等の所得額+一時所得額)×税率-所得控除額
仮に、給与所得400万円の人がオンラインカジノで50万円の所得を得ると所得税は以下になります。
(400万円+50万円)×20%-427,500円=472,500円
簡易的な計算方法としては、給与所得とオンラインカジノの一時所得の合計額が330万円以下なら、オンラインカジノの一時所得に対して10%の税金がかかります。合計額が695万円以下なら一時所得に対して20%の税金を課されます。
オンラインカジノの所得の脱税は可能か
実際のところ、オンラインカジノの儲け(課税対象)を脱税したとしても、捕まる可能性は低いです。それは、脱税してもバレることはまず無いからです。実は、オンラインカジノの場合はパチンコや競馬と違い、入出金履歴が残るため、脱税の証拠はあります。しかしながら、オンラインカジノの入出金には海外の企業が利用されているため、日本の税務署が簡単に立ち入ることはできません。
従って、税務署がお金の流れを把握できるのは、日本の銀行に出金された金額だけということです。何千万円というお金を一度に銀行に出金でもしない限り、税務書が目を付けることはまずありません。
まとめ
オンラインカジノの儲けは一時所得となり、納税が必要です。ただ、給与所得や不動産の譲渡所得などと違って、所得の内容を税務署が明確に管理できるわけではありません。納税するかどうかはプレーヤーの意識次第です。ちなみに、オンラインカジノの儲けに対する納税は確定申告で行います。